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「雨で残念だったね」から復縁できる―苦い思い出を活用した会話テク
こんにちは。復縁屋の川原です。
心にも物理的にも遠く離れてしまった二人の会話は、他人行儀でぎこちないものになりがちです。相手の印象をつかんで再び距離を縮めることが出来れば、復縁への大きな一歩となります。
そこで今回は「ツァイガルニク効果」を利用した復縁の会話テクニックを紹介します。
苦い思い出のほうが記憶に残る
ツァイガルニク効果とは、端的に言うと
「成功体験より、達成できなかったことのほうが記憶に残る」という人間の傾向を表す心理学用語です。
十分に成功したはずの有名アーティスト・引退後のスポーツマンが復帰するときに「まだ物足りないの?」と考えたことはないでしょうか。ほとんどの場合、彼らには次の華やかな人生があります。お金や名声のために過去へ立ち返る動機はありません。
こうした有名人は、マスメディアのインタビューで
「あの時出来なかったことに再挑戦したい」
「新鮮な気持ちでまた始めたい」
という想いを語ることが大半です。そして、これもひとつの復縁です。
現場に復帰するということは、そこでの人間関係を事前に良好にしておくことが何よりの前提条件です。心残りになっている何らかの未達成経験が、関係を取り戻して共に目標を達成することに強く働きかけています。
このように、甘美な記憶より「これは出来なかったな・またやりたいな」という気持ちのほうが、人を駆り立てる力があります。
たとえそれが、ほんの些細な出来事だとしても。
遂げられなかった経験が人を動かす
二人が共に歩む時間の中には、失敗談・達成できなかった思い出が大なり小なり存在します。
- 急な天候悪化でデートの予定が大幅に変わってしまった
- 二人で初めて挑戦した料理が、残念ながら満足できる味にならなかった
このような失敗談・苦い思い出は、会話を続ける動機となるばかりではありません。
再トライしてみたいという気持ちを呼び起こし、次に会う約束へ自然に結びつきます。また、この話題がきっかけで、達成できなかったエピソードとともに「パートナーとこうすれば幸福になれた」という反省も促すことができます。
ここで注意したいのが、話題のチョイス・会話の主導権の握り方です。思惑通りに進めばよいものの、逆効果になってしまうこともあります。
気持ちを引き出す「失敗談」の選び方
私が「ツァイガルニク効果」を活用した会話テクニックを紹介するときは、出来るだけ小さくて記憶に残りづらい失敗談を選ぶよう提案しています。この時、ご自身ではなく、相手の立場になることが重要です。
先に述べた「天候不順による予定変更」は、ごく普通の社会生活を送る人であれば記憶に残るものではありません。料理についても、日常生活に支障をきたす失敗とは言い難いものです。こうした話題が適切です。
注意が必要なのは、パートナーがコレクター気質・こだわりの強い性質である場合です。ご自身にとっては些細な出来事でも、相手を深く傷つけてしまっていることが往々にしてあるからです。
これまでのケースで多かったのが、夫婦や恋人の間でよくある「相手のコレクションしているものを勝手に捨ててしまった」というエピソードです。依頼主のかたは覚えてすらいない一方、パートナーの本音を引き出してみると「別れに直結する重大な出来事だった」とい認識しているケースがほとんどでした。
そういった趣味のない人には想像し難いことですが、収集癖のある人にとっては、川辺から拾ってきた石だとしても自分の半身のようなものです。自己判断でこだわりの対象となる話題に触れるのは、大変危険です。
「そういえば、そんなこともあったね」という反応から始まる話題が、相手の行動を促すエッセンスとして有効です。
「結論を急がない」ことが重要
論理的思考が得意な人・意思の強い人は、会話の中で結論を急ぎがちです。
「あの時あんなことがあったけど、こうしていれば良かったね」と自己完結してしまい、相手に考える余地を与えないでいては、この会話テクニックは成立しません。
失敗談をわざと会話に織り込むときの最初のゴールは、相手に積極的に思考してもらうことです。「あの時こうすれば良かった」とパートナーから答えをもらい、名残惜しさを想起させることが目標です。
ただし、答えを求めすぎても逆効果になります。男女問わず、自己主張が弱く・結論をパートナーに任せきりにしがちな依頼主からの相談も数多く受けました。こういった方は、ある一定レベルまで自分で解決できることのアピールが必要です。
会話の主導権は「相槌」と「疑問」で
ミスをカバーして成果を出すビジネスパーソンは、相槌の打ち方・疑問の投げかけ方をよく心得ています。彼らは、感情を共有した後「相手と共同で答えを出す」という姿勢をアピールすることで、素早い意思決定を促しています。
これはそのまま、復縁を希望する際の会話にも活用できます。最も難しい疑問形の受け答えは、パートナーの性格・二人の関係性をよく観察する必要があり、依頼主がひとりで糸口をつかむのは難しいと考えています。そこで、私たちの出番です。
ポイントは、会話に自信を持ちすぎない・逆に受け身になりすぎないことです。気持ちの上でパートナーより優位に立つと、その心情は見透かされてしまいます。
二人の再スタートに欠かせない重要な会話に備えて、こうしたテクニックも伝授しています。